地上でははっきり見えているのに対して、水中で目を開けたときにはぼやけていて視界がよく見えない、という経験をしたことがある方もいることでしょう。水の中だとなぜ見え方が変わってしまうのか、その理由をご存じでしょうか?ここでは、水中で視界がぼやける原因やコンタクトの使用に関する注意点をご紹介します。



原因はレンズの屈折率?!



お風呂やプールなど水の中に入ったときに目を開けると、「何だかぼやけてよく見えない・・」そう感じた経験はないでしょうか?視力が下がったわけではないのに、なぜ水の中で目を開けると見え方が変わってしまうのでしょうか?見え方の違いは屈折率に関係しているようです。

通常、私たちの目はレンズの役割である「水晶体」と「角膜」このふたつの働きで光を屈折させることにより、「網膜」に像を映して物体を認識しています。ところが、水の中だと光の屈折がなくなり角膜の屈折力が失われてしまうので、遠視のようにぼやけた見え方になってしまうのです。

水の中で視界がぼやけて遠視のように見えないといった状態は、この屈折率に関係しているのです。



水中視力が良すぎる民族もいる?!



多くの人の視力は、水中で屈折力が失われるために遠視のようにぼやけた状態になりますが、世界には水中でも物体をはっきりと認識できる民族が存在します!

「モーケン族」というミャンマーの民族は、地上で3.6~9.0、水中でも視力が良いということが横浜市立大学の研究により報告されています。地上の視力が最高9.0と信じられない数字ですが、さらに屈折力の失われる水の中においても視力が良いというのは驚きです!私たちには考えられませんが、海でゴーグルをしなくても魚を見つけて捕まえることができるすごい民族です。

研究によれば「モーケン族」の目は人並み外れた調整力で水晶体の屈折力を上げて、錐体細胞(すいたいさいぼう)の分解力によって水中視力が良いと考えられているのだそうです。



コンタクトレンズ装用時に水中で目を開けるのはNG




最初は慎重に使用していたとしても、コンタクトレンズの装用に慣れて少しくらい大丈夫!とコンタクトレンズを装用したままお風呂に入ったり、洗顔したり、プールに入ったりすることもあるかもしれません。

しかし、コンタクトレンズを装用した状態で目に水が入ると・・・

  • 海やプールの水でコンタクトレンズが流されてなくしてしまう
  • 水が入ってコンタクトレンズが目に張りついてしまう
  • 目に水が入ってコンタクトレンズがずれてしまう

上記のような可能性が考えられます。

このようなことを防ぐために、面倒くさいと思っていても、お風呂に入るときや、洗顔するとき、またプールや海で泳ぐときなどは、コンタクトレンズをはずし、コンタクトレンズを装用したまま水中で目を開けるようなことは避けてください。



海やプールではコンタクトレンズの使用は避けた方が無難



コンタクトレンズの扱いに慣れている人のなかに、海やプールにレジャーやスポーツでコンタクトレンズを装用したまま行こう!と思っている人が意外と多いもしれません。しかし、目に水が入る可能性のある場所では装用しないことをおすすめします。

「メガネや度が入ったゴーグルは使用したくない」、「コンタクトをはずして全く見えないという状態は困る」、「1日くらいコンタクトを装用したままでも大丈夫だろう」、と考えるかもしれませんが、海やプールで目に水が入ってしまうと、コンタクトレンズを紛失する可能性があることに加え、海水の塩分、プールの塩素、そのほかの雑菌がコンタクトレンズに付着してしまいます。

それらが原因で目のトラブルにつながるかもしれません。このような理由から、海やプールでのコンタクトレンズの使用は避けた方が無難です。



コンタクトレンズの装用に慣れると、その快適さからどこでも利用したいと思う人も多いと思いますが、水中や目に水が入る可能性のある場所での使用は避けましょう。目の健康を守り快適にコンタクトレンズを使用できるように、取り扱いには十分お気をつけください!
 


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